インターネット上やSNSのインフルエンサー投稿では、「172cmならシンデレラ体重の53kgを目指すべき」「モデル体重の50kgでなければ美脚とは言えない」といった過激な言説が散見されます。しかし、これらの極端な基準値を無批判に受け入れることには深刻な医学的リスクが潜んでいます。
日本肥満学会が公表している172cmの痩せ型と肥満の基準において、BMI 18.5未満(54.7kg未満)は明確に「低体重(痩せ症)」に分類されます。特に高身長の成人が53kg以下に突入すると、以下の弊害が急激に顕在化します。
- 基礎代謝の不可逆的低下:飢餓状態と錯覚した身体が筋肉を分解し、省エネ体質になるため、少しの食事でもリバウンドしやすい体質に変貌する。
- 骨密度の低下と早期骨粗鬆症:エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が抑制され、20代〜30代であっても骨密度が著しく低下する。
- 脱毛・肌荒れ・慢性疲労:生命維持に必要な微量栄養素やタンパク質が不足し、毛髪のコシがなくなり皮膚のバリア機能が崩壊する。
ネット上のモデル体重(50.3kg)は、専属のパーソナルトレーナーや管理栄養士が24時間体制でモニタリングし、照明やレタッチ技術を駆使するプロフェッショナルな商業環境でのみ成立する特殊な数値です。日常生活を送る一般生活者が目指すべき数値ではありません。