まずは加熱せずダイレクトに味わいたい場合、切り方と調味料の選択が仕上がりを大きく左右します。包丁で滑らかにスライスするのも美しいですが、あえて手で一口大にちぎるのがプロ推奨のモッツァレラチーズをそのまま食べる方法です。断面の表面積が増えることで、オリーブオイルや塩がよく絡み、繊維の弾力をダイレクトに感じられます。
合わせる調味料は、上質なエキストラバージンオリーブオイルと結晶の粗い岩塩、挽きたての黒胡椒だけで十分です。トマトとバジルを重ねる王道のモッツァレラチーズのカプレーゼを作る際も、トマトの酸味とチーズのミルキーさのバランスを取るため、食べる直前に塩を振って浸透圧で余分な水分が出るのを防ぐのが美しく仕上げるコツです。
また、原料が水牛乳で作られる「ボッカモーネ(Bocconcini)」などの水牛モッツァレラチーズの食べ方においては、一般的な牛乳製(フィオール・ディ・ラッテ)とは一線を画す配慮が求められます。水牛製は乳脂肪分が約8%と高く、芳醇で濃厚なコクが特徴です。繊細な酸味と野性味あるミルク香を損なわないよう、加熱調理には使わず、室温に戻してから極少量の塩とプレミアムオイルのみでシンプルにいただくのが最高の贅沢です。