用稲千春(よういね ちはる)という名前を聞いて、往年のスポーツ中継や情報番組を思い出すファンも少なくないだろう。共同テレビジョンに所属していた彼女は、知性と明るさを兼ね備えたアナウンサーとして、数々の生放送で安定したアナウンス力を発揮していた。
当時のスポーツジャーナリズム界において、現場の熱量を正確に伝える彼女の取材姿勢は選手やスタッフからも厚い信頼を得ていた。華やかな女子アナブームの渦中にありながら、決して出しゃばらず、アスリートの言葉を引き出す職人気質なスタンス。その落ち着いた佇まいは、後に過酷なプロ野球の世界を生き抜く二岡智宏にとって、何よりの安らぎとなっていく。