しかし、ここで重大な注意点がある。「効かせたい」という焦りから、指を激しくグリグリと揉みほぐしたり、尖った棒で強く突き刺すような圧迫を加えることは極めて危険だ。
頸部には頸動脈洞や椎骨動脈など、生命維持に直結する太い血管が走っている。過度な強圧刺激は、血管内膜を傷つけて解離を引き起こすリスクや、急激な血圧低下を招いて失神(迷走神経反射)を引き起こす恐れがある。特に首の前側や側面を無造作に圧迫することは絶対に避けなければならない。
「ツボ押しは筋力トレーニングではない。神経への優しいシグナル伝達である」と専門医は釘を刺す。骨を直接押すのではなく、骨のキワにある筋肉の隙間に指を滑り込ませる感覚を忘れてはならない。万が一、指圧中にめまいや吐き気、強い拍動痛を感じた場合は、直ちに中止して安静を保つべきだ。