金星大気のリアルな姿を解き明かす上で、日本の貢献を忘れるわけにはいかない。JAXAが運用する探査機「あかつき」は、過酷な軌道投入を乗り越え、長年にわたり金星の大気ダイナミクスを観測し続けてきた。
「あかつき」が捉えた雲層の巨大な弓状構造や、強烈な風が惑星全体を覆う「スーパーローテーション(超回転)」の詳細データは、金星大気がきわめて複雑かつ動的なシステムであることを証明した。大気中の化学物質がどのように循環し、高度の異なる層へ運ばれるのか。この大気循環の解明こそが、ホスフィンが安定して存在できる物理的背景を探る鍵となっている。