1983年3月25日に収録され、同年5月に全米放送されたテレビ特番『モータウン25:イエスタデイ、トゥデイ、フォーエバー』。兄弟グループであるジャクソンズとしての出演を終えたマイケルは、黒いスパンコールのジャケットにシルバーのラメ手袋、短めのパンツに白いソックスというアイコニックな姿で一人ステージに残りました。
ソロ曲『ビリー・ジーン』のベースラインが鳴り響く中、曲のブリッジ部分で彼は突如として後ろ向きに滑走します。わずか数秒の出来事でしたが、会場は割れんばかりの大歓声に包まれました。翌日の全米中の学校やオフィスでは、誰もが足元を滑らせようと試みる異様な社会現象が発生。後にマイケル自身が自伝で明かしたところによると、収録直後は「爪先立ち(トゥ・スタンド)のキープ時間が短すぎた」と悔し涙を流したそうですが、この一瞬こそがポップミュージックの歴史が塗り替えられた決定的瞬間となりました。
現在でもYouTube等に投稿される当時のアーカイブ映像には、世界中の若い世代から驚嘆のリアクション動画が絶え間なく寄せられており、時代を超越した圧倒的な引力を放っています。