かつてのトルコ代表は、国民性ともいえる凄まじい闘争心と情熱を持つ反面、試合展開によって感情の波が激しく、戦術的な規律を失って自滅するケースが散見されました。そのチームカラーを劇的にアップデートした立役者が、サッカートルコ代表監督を務める元イタリア代表の名ストライカー、ヴィンチェンツォ・モンテッラです。
モンテッラ監督はアダナ・デミルスポル(トルコ1部)を率いて成功を収めた実績を買われ、2023年9月に代表指揮官に就任しました。彼がもたらした最大の功績は、「トルコ人特有のパッション」と「イタリア流の緻密な戦術構造(タクティカル・オーガニゼーション)」の完全なる融合です。
守備時にはコンパクトな4-2-3-1または4-3-3のブロックを敷き、中盤のスペースを徹底的に遮断。奪ったボールは、世界屈指の展開力を持つボランチやインサイドハーフを経由し、一瞬で両ウイングのスピードを活かした鋭利なカウンターへと転換します。EURO 2024のオーストリア戦(2-1の勝利)で見せたセットプレーの完成度とゴール前の献身的なシュートブロックは、まさにモンテッラが植え付けた戦術的成熟の結晶でした。