皇室と婚姻を語る上で、決定的な転換点となったのが秋篠宮家の長女であった小室眞子さんの皇籍離脱である。2021年の結婚に際し、彼女は慣例であった納采の儀などの関連儀式を行わず、皇室経済法に基づいて支給されるはずだった約1億4000万円の一時金を全額辞退した。
この前代未聞の選択は、皇室の伝統行事や国費による支えを断ち切ってでも一個人の生き方を貫くという強烈な意思表示であった。事実上の「皇室からの脱出」とも受け取られたこの出来事は、結婚のみならず、将来的な離婚や別居という選択肢が浮上した際に、元皇族がどのような社会的・経済的立場に置かれるのかという新たな課題を浮き彫りにした。
皇室経済法が想定する給付金は、元皇族としての品位保持を目的としている。それを放棄した先にある海外生活の実態は、皇室という枠組みが抱える構造的な歪みを残酷なまでに可視化させた。