既存のテレビ放送事業と動画配信サービスの力関係は、対立から相互補完、そして高度な共鳴関係へと移行した。民放公式テレビ配信サービスのTVerによるリアルタイム配信と追っかけ再生は、もはやインフラとして完全に定着している。「見逃したら終わり」という恐怖から解放された視聴者は、むしろ気になるシーンを即座に巻き戻し、SNSでシェアしながら鑑賞するスタイルを手に入れた。
そこに独自の切り口で割り込むのが、ネット配信の雄たちだ。ABEMAは大晦日特有の隙間時間を狙った生中継イベントや格闘技、アニメの一挙配信でコアなファン層をガッチリと囲い込む。対するNetflixは、映画級の予算を投じたオリジナルシリーズや大型バラエティを一挙投下し、長時間のイッキ見需要を奪いにいく。地上波の熱狂と配信の利便性が美しく絡み合い、視聴体験の選択肢は史上最も贅沢なレベルに達している。