インターネット上の掲示板やSNSでは「ソウル駅の夜は治安が悪い」「女性一人では近寄るな」といった極端な言説が散見されます。現地の報道データや警察の巡回実態を踏まえると、凶悪犯罪が頻発しているスラム街のような危険性はありません。しかし、初めて訪れる旅行者が心理的な恐怖や不快感を覚える環境であることは紛れもない事実です。
注意すべき中心エリアは、駅の東側正面に広がる「ソウル駅広場」および旧ソウル駅舎(文化駅ソウル284)の周辺です。この一帯は歴史的に生活困窮者やホームレスの人々が集まる拠点となっており、日没以降になると広場のベンチや階段周辺にダンボールを敷いて滞在する人の数が急増します。大声を上げて独り言をつぶやいている人物や、酒に酔って通行人に小銭やタバコを執拗に要求してくる人物を見かける頻度は、明洞や弘大といった一般の観光街とは比較になりません。
特に危険度が増すのは、駅構内の商業施設が閉鎖され人通りがまばらになる夜23時以降から翌朝5時頃までの時間帯です。以下の安全ルールを徹底してください。
第一に、深夜に駅の東側広場を無目的に横断しないこと。地下鉄やAREXの出口から地上に出る際は、大通りに面した人通りの多いルートを選び、路地裏や薄暗い高架下への進入は絶対に避けてください。第二に、スマートフォンを操作しながらの「歩きスマホ」や、両耳をイヤホンで塞いだ状態での移動を慎むことです。背後からの接近に気付けず、突然大声で威嚇されたり荷物を掴まれたりするトラブルを未然に防ぐためです。
万が一、深夜便や早朝移動でソウル駅を利用する場合は、東側広場を歩くのではなく、駅構内の明るい中央コンコース内を直進するか、タクシーで駅の西口(西部駅・ソウル駅空港鉄道側)の乗り場へ直接アクセスするルートを選択するのが賢明です。西口側はオフィスビルや住宅街に面しており、広場側に比べて格段に落ち着いた環境が保たれています。