金額の書き方と並んで失敗しやすいのが、お札の向きと新札・旧札の扱いに関するマナーです。
新札はあえて折り目をつけるのが伝統ルール
結婚式などの慶事では「前もって楽しみに準備していた」という意味で新札(ピン札)を使いますが、葬儀では「急な不幸に慌てて駆けつけた」ことを表すため、新札をそのまま包むのは避けるのが古くからのしきたりです。手元に新札しかない場合は、意図的に中央に一度折り目をつけてから包むのが正しいマナーとされています。
中包みへのお札の入れ方(向きの作法)
お札を入れる向きにも決まりがあります。中袋の表側(金額が書いてある側)に対して、お札の肖像画が裏側(見えない側)かつ「下向き(底側)」になるように揃えて入れます。「顔を伏せる」「悲しみに顔を伏せる」という意味合いが込められており、慶事とは逆の向きになります。
【プロの結論】形式マナーと遺族への配慮を両立させる判断基準
冠婚葬祭のルールにおいて最も大切な本質は「遺族に余計な負担や手間をかけさせないこと」です。大字が難しくて書けないからと焦って不鮮明な文字を書くよりは、丁寧な楷書で読める文字を記すことが供養の第一歩となります。また、家族葬で香典辞退の意向が明記されている場合は、無理に香典を持参せず、遺族の意向を尊重することが現代における最善の配慮です。