冨岡義勇と不死川実弥。二人のファーストコンタクトは、およそ友好的とは言えないものだった。感情を表に出さず「俺はお前たちとは違う」と言い放つ義勇に対し、感情をむき出しにして激昂する実弥。柱合会議での一幕は、水と油のごとく交わらない二人の性質を冷徹に描き出していた。
だが、その反発の裏側にあったのは、驚くほど似通った傷跡だ。大切な肉親や親友を鬼に奪われ、生き残ってしまったことへの罪悪感。義勇の態度は傲慢さではなく、自己評価の低さから来る拒絶であり、実弥の苛立ちは、そんな義勇の脆さを無意識に察知していたがゆえの苛立ちだった。互いに言葉が足りず、すれ違い続けた二柱の距離感こそが、読者を惹きつける最大のドラマを生んでいる。