このことわざを用いる際、もっとも注意しなければならないのが「誰に対して使うか」という文脈です。根本的な意味の中に「凡人」という要素が内包されているため、相手を選ばないと意図せず相手の能力を過小評価したような響きを与えてしまいます。
たとえば、上司や取引先のプロジェクトチームに対して「部長たちのチームなら、三人寄れば文殊の知恵で素晴らしい成果が出ますね」と声をかけるのは明白な誤用です。これでは「あなた方は一人では頼りない凡人集団ですが」と暗に告げているのと同じ意味合いになりかねません。
正しい使い方の鉄則は、「自分たちをへりくだる謙譲の表現」として用いるか、「仲間同士で励まし合う対等な関係」で使うことです。自分を含むチームの能力に不安がある際、「私たちは一人ひとり未熟ですが、三人寄れば文殊の知恵と言いますから、全員で徹底的に意見を出し合って打開策を見つけましょう」と発言するのが模範的なマナーです。