では、現場の気象予報士たちは何を基準に両者を区別しているのだろうか。答えはシンプルだ。中心付近の「最大風速」である。国際基準および気象庁の定義において、中心付近の10分間平均最大風速が約17.2m/s(34ノット)未満のものを「熱帯低気圧」、それを超えた瞬間に「台風」と呼ぶ。つまり俗に言う「たまご」とは、暴風の基準値に達する前の熱帯低気圧そのものを指している。
風速17.2m/sという数値は、人間が風に向かって歩けなくなり、傘が役に立たなくなるレベルの強風だ。しかし、たまごの段階だからといって安全だという保証はどこにもない。風が強まる前から、大量の湿った空気が日本列島へ流れ込み、遠く離れた地域で局地的な大雨を降らせるケースが多発しているからだ。