ろうあ者とは?ろう者との違いと差別用語とされる真相・正しい呼び方

ろうあ者とは?ろう者との違いと差別用語とされる真相・正しい呼び方

ろうあ者とは?ろう者との違いと差別用語とされる真相・正しい呼び方について徹底解説いたします。詳細な分析をご覧ください。

聴覚障害者と健聴者(聴者)の間にあるギャップは、コミュニケーションの現場において鮮明に浮き彫りになります。SNSのコミュニティや当事者のエッセイ、取材現場の証言からは、健聴者側の「善意の思い込み」が時に当事者を困惑させている現実が見えてきます。

典型的な事例が、「耳が聞こえないのだから筆談をすれば誰でも完璧に通じる」という誤解です。大手企業の特例子会社に勤務する20代のろう者男性は、取材に対し次のように吐露しています。

「自分にとっての母語は日本手話であり、日本語の文章は外国語のような感覚があります。助詞の使い方や細かな敬語表現が並ぶ長い筆談メモを渡されると、意味を解釈するのに時間がかかり、精神的な負荷が大きいです。手話ができない方なら、箇条書きの短い日本語にしてくれたり、スマートフォンの音声文字変換アプリを画面で見せてくれたりする方が、はるかに的確に意思疎通ができます」

また、「デフ文化」特有のコミュニケーション様式も知っておくべき重要な要素です。ろう者の会話では、話し相手の肩をポンポンと軽く叩いて注意を引く、部屋の照明をパチパチと点滅させて全員に合図を送る、テーブルを軽く叩いた振動で気付かせる、といった動作が日常的に行われます。健聴者の常識から見ると「急に触られて驚いた」「部屋を急に暗くされて驚いた」と受け取られがちですが、これらは視覚と振動を活かした極めて合理的かつ礼儀正しいコミュニケーションルールです。

「話せない可哀想な人」ではなく、「視覚を活用した独自の豊かな生活様式を持つ人々」。このデフフッド(Deafhood=ろう者としての誇り)を理解することこそが、形式的なマナー論を超えた相互理解の第一歩となります。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。