現在、工藤阿須加は山梨県北杜市に農地を借り受け、本格的な有機野菜栽培に従事しています。この取り組みは企画物の一時的なパフォーマンスではなく、事業として収支を成り立たせる本格就農です。早朝4時に起床してトラクターを操縦し、堆肥作りから種まき、収穫、袋詰め、出荷作業に至る全工程に自ら汗を流しています。
この農業への情熱の原点は、彼の学歴である東京農業大学(農学部農学科)時代にあります。幼少期に病弱だった時期があり、母・雅子さんが徹底した食事管理と自然食で家族の健康を支えていた姿を間近で見てきた経験から、「人の体と心を作る食の根本=農業」に対する強い関心を抱くようになりました。
過酷な撮影現場と肉体労働の農業を両立させることについて、周囲からは「どちらか一方に絞るべきでは」という懸念の声が上がった時期もありました。しかし本人は、「土に触れることで精神のリセットができ、俳優としての感受性が研ぎ澄まされる」と力強く語っています。自然のサイクルに身を委ねる経験が、演技におけるリアリティと人間的な深みに直結しています。