「時短勤務は子どもの年齢が何歳になるまで利用できるのか」という疑問は、キャリア形成の長期計画を立てる上で最も重要な要素です。法律上の下限基準はこれまで「子どもが3歳に達するまで」と定められていました。そのため、多くの子育て世代が3歳の誕生日を迎えた瞬間に「3歳の壁」と呼ばれるフルタイム復帰のプレッシャーに直面してきました。
この構造的な課題に対し、法制面での抜本的なテコ入れが行われています。育児・介護休業法の段階的改正により、小学校就学前(6歳の年度末)までの子を養育する労働者への柔軟な働き方の措置義務化が定着しています。事業主は、テレワークや時差出勤、新たな休暇制度、そして短時間勤務制度などの選択肢の中から複数の措置を講じ、労働者が希望する制度を選択できるように整備することが義務付けられています。あわせて残業免除の請求可能期間も「小学校就学前まで」へと拡大されました。
さらに、経済的支援の面でも2025年度から段階的に施行された「育児時短就業給付」が本格運用されています。これは、2歳未満の子を養育するために時短勤務を選択し、賃金が低下した雇用保険の被保険者に対し、時短勤務中に支払われた賃金の一定割合(最大10%相当)を支給する制度です。これまで「ノーワーク・ノーペイによる手取り減」に耐え切れず無理なフルタイム復帰を選んでいた層にとって、金銭的なクッションとして機能し始めています。