第6章中盤、読者に最大の衝撃を与えたのがスバルの記憶喪失です。突如として異世界に召喚された初日の精神状態へとリセットされ、エミリアたち仲間への信頼や絆をすべて忘れ去ってしまったスバルは、疑心暗鬼と恐怖から完全に孤立してしまいます。
この異変の真相は、監視塔の第2層にある「タイゲタの書庫」と暴食の大罪司教ルイ・アルネブの策略にありました。タイゲタの書庫には、過去の死者の記憶を追体験できる死者の書が収められています。スバルがかつて命を落としたメィリィの死者の書を読んだ瞬間、魂の回廊に潜んでいたルイ・アルネブに意識を接触され、「ナツキ・スバル」の記憶を食べられてしまったのです。
記憶を失ったスバルは、仲間たちの死や塔内部の脅威に直面し、およそ20回以上にも及ぶ壮絶な死に戻りを繰り返します。凄惨なループの中で絶望に沈みながらも、スバルは自分自身の「死者の書」を読み解くことで過去の自分と対話し、記憶を完全に取り戻すことに成功しました。