なぜ民主主義はこれほどまでに機能不全を起こしやすいのでしょうか。政治社会学や社会心理学の知見を踏まえると、人間心理に潜む「お任せ民主主義」の罠が見えてきます。
【プロの結論】「心理的バウンダリー」の崩壊と政治的共依存
政治と国民の関係は、しばしば不健全な家庭環境における「共依存関係」に酷似します。
国民が「政治家が全てを解決してくれるべきだ」「国が生活を保障してくれないのは政治家が無能だからだ」と全面的に依存する姿勢は、心理学でいう「心理的バウンダリー(境界線)」の欠如を示しています。
統治者に下駄を預け、自らは汗をかかずに結果の不満だけを他罰的に攻撃する姿勢は、リンカーンが提示した「by the people(人民による)」の放棄に他なりません。「by the people」とは、自らが決定の当事者であり、選んだ政策の失敗やコスト(増税や痛みを伴う改革)もまた自らが引き受けるという過酷な自己規律を意味しているのです。政治家を「絶対的な救世主」に祭り上げる心理は、容易にポピュリズムや独裁への門戸を開いてしまいます。
主権者として成熟できる人・民主主義に向いていない人の判断基準
現代の激動期において、民主主義の当事者として健全に振る舞える人と、無意識のうちに民主制を破壊してしまう人には、明確な分水嶺が存在します。