かつて日本を席巻したタピオカミルクティーや台湾カステラの流行は去った。しかし、それは一時的な流行の終焉に過ぎず、日本人の舌はより深く、よりニッチな領域へと進出している。その最前線にいるのが、いわゆる「ガチ台湾」と呼ばれるジャンルだ。
飾らないプラスチックの丸椅子、壁に貼られた手書きのメニュー、そして厨房から漂う独特の調味料の香り。この店が提供するのは、日本人向けにアレンジされた甘口の味付けではない。現地の汗ばむような空気の中で食べる、あの剥き出しの味わいそのものだ。この妥協のない姿勢が、本物を知る旅慣れた世代の心を掴んで離さない。