うつ病の嘘は見抜けるのか?仮病・新型うつと本物の違い&職場の法的対処法の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
周囲から「仮病」と誤認されやすい病態には、医学的な明確な区分が存在します。特に2000年代以降に急増し、職場で軋轢を生み続けている非定型うつ病(いわゆる新型うつの病態)や適応障害は、古典的な内因性うつ病とは正反対の症状を示すケースが少なくありません。まずは客観的な分類を比較表で整理します。
区分・項目詳細・主な症状発生頻度・臨床データ基準編集部の見解・評価従来型うつ病(大うつ病)自責感、不眠、食欲不振、趣味を含め何事にも興味が失われる(全般的興味喪失)。責任感が強く仕事にしがみつく傾向。生涯有病率は約6.7%(厚労省調査)。真面目で几帳面な性格に好発。本人が周囲に隠そうとするため、周囲が気づいたときには重症化しているケースが多い。非定型うつ病(新型うつ)気分反応性(良いことがあると気分が晴れる)、過眠、過食、拒絶過敏性、他責的傾向。「仕事は無理だが旅行には行ける」。若年層を中心にメンタル不調休職相談の30%〜40%を占めるとされる。本人は強い苦痛を感じているが、周囲からは「わがまま」「仮病」と映り最もトラブルを生みやすい。仮面うつ病精神症状(気分の落ち込み)が目立たず、頭痛、胃痛、全身倦怠感などの身体症状が前面に出る状態。中高年管理職に多く、内科を転々とした後に精神科へ紹介される割合が高い。本人がうつ病と認めず我慢し続けるため、突然の休職や自死リスクに細心の警戒が必要。完全な詐病(嘘・仮病)精神医学的な苦痛や脳機能異常はなく、明確な目的(処罰回避、解雇逃れ、傷病手当金の不正受給等)のために意図的に演技する。純粋な詐病の比率は極めて限定的(医学統計上は1%〜数%未満とされる)。純粋な詐病は稀であり、嘘のように見えても実際は「適応障害」や「パーソナリティ障害」が根底にある。
上記の通り、職場で「嘘つき」「ずるい」と非難を浴びる事例の大部分は、純粋な詐病というよりも非定型うつ病の特徴や適応障害によるものです。DSM-5などの国際的診断基準でも「好ましい出来事に対して気分が明るくなる」という気分反応性は正式な症状として認められています。したがって、私生活を楽しんでいるからといって直ちに「嘘」と断定することは医学上できません。