インターネット上の掲示板やSNSでは、ブラックエンペラーに関して事実無根の噂や年代の混同が散見されます。調査報道の視点から、特に多く見られる3つの誤解を是正します。
誤解1:宇梶剛士が「初代総長」であるという俗説
ネット検索で頻繁に見受けられるのが「宇梶剛士=初代総長」という誤認です。実際には前述の通り、宇梶氏は第7代総長です。創設期から約10年が経過し、組織が最も巨大化して警察の取り締まりも激化した1970年代末から1980年頃にトップを務めていました。宇梶氏の知名度があまりにも突出しているため、後世のネット言説において「初代」と混同されて語られるケースが後を絶ちません。
誤解2:「昭和のブラックエンペラー」と「平成の関東連合」の短絡的な同一視
極めて深刻な誤解が、平成後期に六本木などで数々の凶悪事件を起こした準暴力団・いわゆる「関東連合」と、昭和期のブラックエンペラーを全く同じものとして捉える見解です。
歴史的事実として、ブラックエンペラーはマッドスペシャルや宮前愚連隊などとともに、1970年代に結成された暴走族の連合体「関東連合」の結党メンバーでした。しかし、昭和期のそれはあくまで少年たちによる暴走行為や抗争を中心とした不良文化であり、明確な引退規律が存在していました。
一方で、2000年代以降に社会問題化したグループは、成人後も関係を維持した一部のOBや派生勢力が地下経済や組織犯罪へと傾斜したものであり、昭和期の硬派な暴走族カルチャーとは組織形態も倫理規範も完全に別物です。歴代総長を含め、昭和期に活動した元メンバーの大半は、20歳前後できっぱりと足を洗い、一般市民として実直に生活を営んでいます。