デジタル全盛の世の中にあって、難読・超画数漢字に対する世間の関心は薄れるどころか、むしろSNS時代の強力なコンテンツとして消費されています。実際に街中やネットコミュニティで見られるリアルな受容の実態を調査しました。
コンビニエンスストアや大手外食チェーンがビャンビャン麺を全国展開した際、X(旧Twitter)上ではパッケージの文字を巡って凄まじい反響が巻き起こりました。購入者の投稿データを分析すると、「手書きで再現しようとしたがノートのマス目が真っ黒につぶれた」「スマホの画面を限界まで拡大しても部首が判読できない」といった、視覚的過密さに対する驚嘆の声が8割以上を占めています。
また、日本漢字能力検定(漢検)の準1級や1級を目指す学習コミュニティでは、難字に対するアンビバレントな感情が吐露されています。合格体験者たちの座談会では、「普段の学習で『鬱』を書くのが面倒だと感じていたが、64画の『𪚥』を知ってからは、29画の鬱が拍子抜けするほどシンプルに見えるようになった」という認知の歪み(アンカリング効果)に関する証言が数多く寄せられています。限界突破した難字を知ることで、日常の難易度の基準が下がるという心理的効用が現場では観察されます。