月刊コミックゼノンにて連載された『めしぬま。』は、コミックス全巻の刊行を経て堂々の完結を迎えました。連載初期こそ出オチ扱いされることもありましたが、完結に至るまで息の長い人気を保ち続けた理由はどこにあったのでしょうか。
その本質は、飯沼というキャラクターが持つ「食に対するブレない誠実さ」にあります。飯沼は決して食通を気取ったり、他人の食べ方にケチをつけたりしません。目の前に出された料理に対して全身全霊で感謝し、自分の舌と身体だけでその美味を噛み締めます。
「気持ち悪い」という第一印象の壁を乗り越えた読者の多くが、最終的に飯沼の無垢な食への情熱に惹かれていきました。奇をてらったイロモノに見せかけながら、その根底にはグルメ漫画の王道である「食べる喜び」が愚直なまでに描かれていたことが、本作を唯一無二のロングセラーへと押し上げたのです。