食事の時間が始まると、食器をひっくり返す、口に入れたものをベーと吐き出す、あるいは立ち上がって歩き出してしまう――。1歳2ヶ月児に見られるこうした行動には、明確な発達学的理由が存在します。
小児発達心理学において、1歳2ヶ月は「自己効力感(自分の力で環境に影響を与えたい欲求)」が爆発的に高まる時期です。1歳2ヶ月のご飯を食べない理由やご飯の遊び食べ対策を考える上で知るべきは、子どもにとって食事が単なる栄養補給ではなく、「感覚探究の実験場」になっているという客観的事実です。
「落としたらどんな音がするか」「握りつぶしたらどんな感触になるか」を検証する行動は、知能が順調に伸びている証拠に他なりません。さらに、この月齢特有の偏食や食べムラの原因として、以下の3点が挙げられます。
- 身体成長の一時的な緩慢化:乳児期前半の爆発的成長に比べ、1歳を過ぎると体重増加ペースは落ち着きます。それに伴い、日ごとの基礎代謝要求量に波が生じます。
- 味蕾(みらい)の敏感化と新奇恐怖(ネオフォビア):未知の食感や色合いに対して本能的な警戒心を抱く心理機制が働き始めます。
- 満腹・空腹感覚の獲得:「お腹が空いていない時は食べない」という自己決定を行っている段階です。
大人の思い通りにスプーンを口へ運ばせないのは、順調に心が自立へ向かっているポジティブなサインといえます。