首振りのバリエーションの中でも、「首を横に振る」以外の特殊な動きや仕草が組み合わさっている場合は、耳鼻科的あるいは小児神経科的な疾患が潜んでいるリスクを考慮しなければなりません。
代表的な例が、「耳を頻繁に触りながら首を振る」ケースです。乳幼児は耳管が太く短いため、風邪を引いた後に急性中耳炎や滲出性中耳炎を併発しやすくなっています。耳の奥の痛み、痒み、詰まったような違和感を言葉で訴えられない赤ちゃんは、首を振ったり耳を引っ張ったりして不快感を表現します。鼻水や微熱が続いている状況でこの動作が見られたら、まずは耳鼻咽喉科の受診を検討してください。
さらに慎重な観察を要するのが、「首を縦にカクンと頷くように振る動作」です。特に生後4ヶ月〜1歳前後に好発する「点頭てんかん(ウエスト症候群)」では、寝起きなどに頭を一瞬カクンと前に倒す(お辞儀をするような)動作が、数秒〜十数秒の間隔で連続して起こる(シリーズ形成)という顕著な特徴があります。この動作は早期発見と早期治療が生涯の発達予後に直結するため、見逃してはならない極めて重要なサインです。