ポーランドボールのポルトガルはなぜ東欧扱い?哀愁漂う定番ネタの理由

ポーランドボールのポルトガルはなぜ東欧扱い?哀愁漂う定番ネタの理由

ポーランドボールのポルトガルはなぜ東欧扱い?哀愁漂う定番ネタの理由の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

ポーランドボールの掲示板や作品群を見ていると、ポルトガルがポーランド、ルーマニア、ウクライナといった東欧諸国の輪の中に自然と混ざっていたり、スラブ系のスラング(Сука блядьなど)を口にさせられたりする描写に頻繁に出くわします。地理的にはユーラシア大陸の西の果てにあるはずの国が、なぜこれほどまでに東欧扱いされるのか。その発端は、海外掲示板Redditなどで一大ジャンルを築いた「r/PORTUGALCYKABLYAT」というムーブメントにあります。

ヨーロッパ各国の様々な統計データを色分けした主題図(コロプレス図)を作成すると、ポルトガルだけが西欧諸国(フランス、ドイツ、イギリスなど)から大きく乖離し、東欧・旧東側諸国と全く同じ数値グループに分類される現象が頻発します。たとえば以下のような項目です。

・平均賃金および最低賃金水準の低さ
・若年層の失業率と国外流出率の高さ
・持ち家率の高さ(旧共産圏と同様に私有化の経緯から高い)
・高齢化率と出生率の低迷
・男性の喫煙率やアルコール消費傾向

経済統計だけでなく、文化的な側面も拍車をかけています。ポルトガル語(特に本国ポル語)は母音の弱化が激しく、子音が強調される音韻体系を持つため、言語に詳しくない外国人が耳にすると「ロシア語やポーランド語などのスラブ系言語に酷似して聞こえる」という特徴があります。こうした「経済指標の類似」と「言語の響き」が合わさった結果、ネット上では「ポルトガルは西欧の皮をかぶった東欧である」「Portugal can into Eastern Europe(ポルトガルは東欧になれる)」という定番のジョークが完全に定着しました。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。