すね毛を剃る際、多くの男性が一度は耳にするのが「カミソリで剃ると前より毛が太く濃くなる」という言説です。長年信じられてきたこの噂は、医学的・皮膚科学的には完全に否定されています。
人間の体毛は先端に向かって細くなる円錐形をしています。カミソリですね毛を剃ると、根元に近い太い部分で毛が切断されます。その後、毛が再び伸びてきた際、切断された平らな断面が皮膚表面から顔を出すため、視覚的に以前より太く、黒々として見えてしまうのです。毛根の数や毛母細胞の働きが剃毛行為によって突然活性化し、遺伝的な毛質が変わることはありません。これが皮膚科専門医らも口を揃えるすね毛剃ると濃くなる噂の真相です。
それにもかかわらず、「剃って激しく後悔した」と語る男性が後を絶たないのはなぜでしょうか。取材で見えてきたすね毛を剃って後悔する決定的な理由は、主に以下の3点に集約されます。
第1の理由は、剃ってから2〜3日後に訪れる「強烈なチクチク感」です。切断された太い毛先が立ち上がると、歩行時や就寝時にズボンの生地と擦れ合い、針で刺されるような不快感やかゆみを生じさせます。パートナーや友人と肌が触れ合った際、不快な感触を与えてしまう心理的ストレスも小さくありません。
第2の理由は、肌トラブルの頻発です。すねの皮膚は皮下脂肪が薄く、骨に近いため凹凸があり、カミソリの刃による摩擦を受けやすい部位です。保護剤を使わずに剃ったり、深剃りを狙って逆剃りを繰り返したりすることで角質層が削れ、毛穴に細菌が入る毛嚢炎(もうのうえん)や、皮膚の下で毛が伸びてしまう埋没毛(埋もれ毛)を招きます。
第3の理由は、一度剃ってしまうと「手入れをやめられない無限ループ」に陥る点です。生えかけの斑ら(まだら)な状態は最も見苦しいため、維持するために数日おきに剃り続けなければならず、そのたびに肌が荒れ果てる悪循環に苦しむことになります。