熱が出ないインフルエンザの真相|微熱・平熱でも陽性になる理由と感染力

熱が出ないインフルエンザの真相|微熱・平熱でも陽性になる理由と感染力

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「熱がないのだから、他人にうつす心配はないだろう」。こうした思い込みが、オフィスや教育現場でクラスターを誘発する主たる温床です。感染症専門医の臨床データや公衆衛生機関の報告を総合すると、インフルエンザ熱なし感染力は、高熱を出している患者と比べても決して無視できる低さではありません。

鼻腔や咽頭粘膜でウイルスが増殖している以上、咳やくしゃみ、あるいは通常の会話から放出される飛沫(マイクロ飛沫を含む)には十分な感染価を持つウイルス粒子が含まれています。高熱が出ている患者は体調の悪化から強制的に自室で寝込むため他者との接触が絶たれますが、熱が出ない感染者は「少し疲れているだけ」と錯覚して出勤・登校し、密閉された空間でウイルスを撒き散らしてしまうリスクを孕んでいます。

さらに厄介なのが、インフルエンザ検査タイミング熱なしにおける判定の難しさです。医療機関で用いられる迅速抗原検査や一般用抗原検査キットは、検体中のウイルス抗原量が一定の閾値(検出限界)を超えなければ陽性反応を示しません。通常は「発熱から12時間〜24時間経過後」が最も検出感度が高まるゴールデンタイムとされていますが、熱が出ない場合、「一体いつを起点に時間をカウントすればよいのか」という迷いが生じます。

現場医師の証言によると、「なんとなく関節が痛い」「喉がイガイガする」と感じ始めた時点を『発症0時間』と捉えるのが適切です。違和感を覚えた直後(数時間以内)に慌てて検査しても、ウイルス量が規定値に達しておらず「偽陰性(実際は感染しているのに陰性と出ること)」となる確率が高くなります。発熱がない場合でも、初発症状の自覚から最低12時間は空けてから検査を受ける、あるいは高感度検出が可能な機器を備えたクリニックを受診することが、誤判定を防ぐ決定打となります。

なお、ドラッグストア等で購入した抗原検査キット陽性熱なしという結果が出た場合、その判定は極めて正確です。一般的なイムノクロマト法を用いた抗原検査は「偽陽性(感染していないのに陽性と出ること)」が極めて稀な検査設計となっています。体温計が平熱を示していても、判定ラインに線が出た段階で「インフルエンザ感染者」としての行動規範が求められます。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。