東京・渋谷で今月始まった体験型エキシビションでは、エリック・カールのアトリエが最新のデジタルツイン技術で再現された。来場者はヘッドセットを装着することなく、空間全体に投影された巨大なあおむしと対峙する。
特筆すべきは、原画の「質感」の再現度だ。薄紙(ティッシュペーパー)にアクリル絵の具を塗り重ね、それをハサミで切り取って貼り合わせるカールの手法。その1ミリに満たない紙の重なりや、絵の具の乾いた輪郭が、最新の超高精細プロジェクション技術によって立体的に浮かび上がる。デジタルでありながら、極めてアナログな触感。この矛盾こそが、現代の若者たちを惹きつける最大の要因となっている。