ネット上や一部のファンの間では、「馬場さんの死因は巨人症による内臓肥大が主因だったのではないか」という議論がなされることがあります。この点について医学的背景と経歴を整理します。
馬場さんは若き日、読売ジャイアンツの投手時代に脳下垂体腫瘍の手術を受けています。この巨人症(下垂体性成長ホルモン分泌異常)によって209cmという並外れた体躯を得た一方で、心臓をはじめとする循環器系や関節部には常人とは比較にならない負荷がかかり続けていました。
しかし、医学的な直接死因は大腸がんおよび肝不全であり、巨人症そのものが直接の死因ではありません。ただし、過酷な巡業スケジュールの中で巨大な肉体を維持し、年間100試合以上を戦い抜く生活が、早期発見の遅れや免疫機能の低下に一定の影響を与えた可能性は否定できません。痛みを口にせず、怪我をしても試合を休まない「鉄人」としての責任感が、受診のタイミングを遅らせた構造的要因と言えます。
【検証】後世に語り継ぐべき「王道プロレス」の光と影
馬場さんが創り上げた全日本プロレスの「王道」は、受け身の美学と重厚なプロレスを軸にしていました。ファンに本物を見せ続ける代償として、自身の体調異変を二の次にしてしまったプロ意識の高さは、偉大なレガシーであると同時に、プロスポーツ選手の健康管理における重い教訓も投げかけています。