信用調査会社の茨城県倒産速報に掲載される法的な倒産件数は、地域経済の痛みを表す氷山の一角にすぎません。より深刻な兆候として注視すべきなのが、茨城県休廃業解散動向の数値です。
手持ち資金が完全に底をつく前に自ら事業をたたむ「あきらめ廃業」の件数は、法的倒産件数の数倍規模に上ります。水戸市内の商工関係者への取材では、次のような重い証言が得られました。
「借金を抱えて裁判所に駆け込む前に、身銭が残っているうちに会社を解散させようと決断する経営者が非常に増えています。70代を超えて後継者もおらず、これ以上の賃上げもDX化の設備投資も不可能。従業員に退職金を支払える段階で店を閉めるのが最後の責任の取り方だと語る社長が少なくありません」
SNSや地元コミュニティでは、「子どもの頃から通っていた商店がシャッターを下ろした」「長年メンテナンスを頼んでいた地元工務店と連絡が取れなくなった」といった声が頻繁に交わされています。法的な破産手続きを踏まない解散であっても、地域の技能継承の断絶や近隣住民の雇用喪失という観点では、倒産と同等以上の痛烈な打撃を地域社会に与えています。