客観的に見れば破滅が明白である「10日5割」の借入に、なぜ人は手を出してしまうのか。ここには行動経済学や心理学で指摘される「トンネリング(視野狭窄)」と「現在バイアス」の罠が存在します。
多重債務で切迫した人間は、将来の莫大な金利負担よりも「今日の3万円を工面しなければならない」という直近の危機回避を極端に優先してしまいます。さらに、「誰にもバレずに解決したい」「自分が悪いのだから自力でなんとかしなければ」という過剰な自己責任論が、周囲への相談を遮断し、ヤミ金との共依存関係を生み出してしまうのです。
報道と相談現場の知見から導き出される、「ヤミ金トラブルを自力で解決しようとして絶対に失敗する人」の条件は以下の通りです。
- 「次の給料日で一括返済して終わらせる」と楽観視している人:ヤミ金は完済を嫌い、「口座が凍結された」「手数料が足りない」と難癖をつけて利息の支払い(ジャンプ)だけを続けさせます。自力完済はほぼ不可能です。
- 家族や職場に知られることを極度に恐れている人:業者側はその恐怖心を熟知しているため、「職場にバラされたくなければ他所から引っ張ってこい」と脅しをエスカレートさせます。
- ネットの情報を鵜呑みにして着信拒否だけで逃げ切ろうとする人:本人の回線が遮断されると、嫌がらせの矛先が瞬時に親族や勤務先へ向かいます。
トゴの被害から生活を取り戻す唯一の脱出ルートは、ヤミ金問題に特化した弁護士または司法書士への即時相談です。専門家が受任通知を送達した瞬間、業者は逮捕リスクを恐れて取り立てを停止します。現在では、法テラスの民事法律扶助制度や費用の後払い・分割払いに対応している事務所も多く、手持ちの現金がない状態でも即日介入が可能です。