ジッパーユニットの取り付けはシンプルに見えますが、美しいシルエットとスムーズな開閉を両立させるには確実な手順が存在します。クラシックモック代表作である「No.875」および定番人気を誇る「アイアンレンジャー」を例に、失敗しない編み上げの手順を解説します。
まず前提として、ジッパーを完全に閉じた状態でシューレースを通すことが鉄則です。ジッパーを開けた状態で紐を通してしまうと、左右のテンションが不揃いになり、組み上がった後にファスナーが閉まらなくなったり、革が斜めに歪んでしまいます。
具体的な装着ステップは以下の通りです:
- ブーツ本体の紐をすべて外し、シュータンのホコリをブラッシングで払い落とす。
- ジッパーユニットをブーツのフロント中央に配置し、最下段(つま先側)のハトメ位置を正確に合わせる。
- ジッパーを最上部まで閉めた状態で、最下段の穴へ外側から内側に向けてレースを通す。
- 左右均等な力加減を保ちながら、下から上へと一段ずつクロスさせながら通していく。
- 足入れを行い、立ち上がった状態でかかとをトントンと合わせ、全体の締め付け感を最終確認して結び目を固定する。
ここで特筆すべきは、アイアンレンジャーへの装着互換性です。アイアンレンジャーの上部3段は通常スピードフック(掛け金具)仕様になっています。純正ジッパーユニットはハトメ穴に通す構造を前提としているため、フック部分へのレースの引っ掛け方に工夫が求められます。フックに紐を一周巻き付けてからユニットの穴に通す手法が愛好家の間で定着していますが、見た目の収まりを最重視する場合は、リペアショップで上部フックをハトメへ打ち替えるカスタムを行うユーザーも少なくありません。