高橋ツトムの近年の作品展開からも目が離せません。まず、ナチス・ドイツ統治下のヨーロッパを舞台に、ヒトラーの遺伝子を持つ少年たちの逃避行を描いた『NeuN ノイン』は、重厚な筆致とスリリングな心理戦で大反響を呼びました。現在は第1部が完結した状態で一時休載となっており、ファンからは第2部の連載再開を熱望する声が寄せられています。
一方で、ビッグコミック増刊号等で連載された『ギターショップ・ロージー』は、これまでのダークな作風とは一味違う、哀愁と人情に満ちた傑作として高いレビュー評価を得ています。下町のヴィンテージ・ギターショップを舞台に、持ち込まれるギターとそれにまつわる人々の人生模様を丁寧に描写。作者自身の音楽への深い愛と、年齢を重ねたからこそ描ける優しい視線が詰まっており、大人の読者にこそ手に取ってほしい隠れた名作です。
現在も精力的に執筆が続けられており、最新刊が続々と刊行される『JUMBO MAX』をはじめ、高橋ツトムの創作意欲は衰えるどころか更なる進化を遂げています。