地方政治における女性議員のパブリックイメージを決定的に変えた原点として、青森県八戸市議の藤川優里の存在を外すことはできない。2007年の統一地方選挙でトップ当選を果たした際、メディアは政策そっちのけで彼女の容姿を賛美し、過剰な熱狂を作り出した。だが、カメラが去った後に残されたのは、人口減少と産業空洞化にあえぐ地方自治体の冷徹な現実だった。
藤川が選んだのは、スポットライトの外で徹底的に汗をかく泥臭い道だった。観光振興や子育て支援、防災対策といった地域課題に愚直に向き合い、議会での質問を重ねる。回数を重ねるごとに、彼女を「客寄せ」と冷笑していた長老議員たちの態度は硬化から沈黙、そして敬聴へと変わっていった。レッテルを剥がす唯一の方法は、圧倒的な実績の積み上げしかないという事実を、彼女の歩みは証明している。