『極悪女王』の現場で彼女のポテンシャルを極限まで引き出したのが、日本映画界を代表する鬼才・白石和彌総監督と、自身が演じた元女子プロレスラーの長与千種本人だった。白石監督による妥協を許さない演出は、彼女の心の奥底に眠っていた野生と生の感情を揺り起こした。
また、指導にあたった長与千種は技術だけでなく「プロレスラーとしての魂」を徹底的に叩き込んだ。技を受け止め、倒れても泥臭く立ち上がるリング上の哲学は、そのまま彼女自身の生き様と共鳴。かつての儚い少女の面影を脱ぎ捨て、泥を這ってでも表現を全うするタフな女優へと脱皮を遂げた瞬間だった。