ナポリの中心部、チェーザレ・セスト通りに佇む「アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ」本店。その歴史は、初代ピッツァ職人ミケーレ・コンドゥッロ氏が1870年創業した屋台にまで遡ります。「ピッツァに余計なトッピングは不要であり、生地本来の風味とトマト、オイル、チーズの調和こそが真髄である」という創業者の揺るぎない信念は、代々のマエストロへと脈々と受け継がれてきました。
2012年、ナポリ本店の門外不出とされてきた味が世界2号店として東京・恵比寿へ上陸した際、日本の飲食業界には激震が走りました。一切の妥協を排すため、ピッツァの命である小麦粉、モッツァレラ(フィオール・ディ・ラッテ)、トマトソース、オリーブオイルはすべてイタリア直輸入食材を使用。さらにはピッツァを焼き上げる窯そのものも、ナポリから職人を呼び寄せて現地と同じ耐火煉瓦を組み上げて建造されました。この徹底した「本物への執念」こそが、単なるブームで終わらず、10年以上にわたってトップランナーであり続ける最大の原動力です。