今回の痛ましい死傷事故を二度と繰り返さないために、自治体や国が直面している課題は極めて重い。第一に解決すべきは、目に見えない地下の危険をいかに早期発見するかという点だ。下水道管老朽化への対策として、AIや最新の電磁波レーダーを搭載した特殊車両による地下空洞探査の全域導入が急がれているが、広大な道路網すべてを網羅するには多大なコストと時間が壁となっている。
第二の課題は、縦割り行政の弊害を打破し、道路管理者と下水道事業者が強固な情報共有体制を構築することだ。従来の保全体制では、路面の亀裂対応と地下管路の補修が別々に処理されるケースが多く、リスクの早期根絶を阻んでいた。道路法の理念に基づき、安全を最優先とした包括的な土木インフラ管理システムの再構築が今まさに求められている。予算の集中的な配分と、老朽化インフラの優先順位付けに向けた抜本的な政策転換が不可欠だ。