原作漫画と実写映像化における描写の違いは、メディアミックスにおける演出意図の差異を鮮明に映し出しています。
『週刊少年サンデー』連載の原作漫画では、ねくすとすてぇじの進行に伴い、各地に浮かぶアドバルーン(巨大飛行船)が次々と爆破・墜落していく様子が描かれます。ハートのキングの飛行船もまた、アリスたちがスペードのキングやハートのクイーンと交戦している裏で、人知れず墜落しました。作者の麻生羽呂氏は、すべての戦いを主人公の視点内に集約させるのではなく、「今際の国の至る所で、見知らぬ誰かが命を賭して戦い、そして散っている」という群像劇のリアリティを優先させたのです。
一方、Netflixのシーズン2では、エピソード後半のモンタージュ映像において、巨大なコンクリート施設や迷路のような建造物を逃げ惑う参加者たちの姿がインサートされます。その直後、ハートのキングを掲げた飛行船が黒煙を上げて墜落するシーンがわずか数秒間だけ映し出されました。実写版においてもゲームの詳細なルール解説はあえて省かれ、映像としてのテンポ感と世界の終末感を加速させるカットとして機能しています。
大手Q&AサイトのYahoo!知恵袋では、「ハートのキングがちらっと出てきてクリアされていたが、どんなゲームだったのか」「人は存在したのか」という疑問に対し、13万6,000回以上の閲覧数を記録。多くの視聴者が「あの数秒」に強烈な違和感と好奇心を抱き、答えを求めて検索し続けている実態が数字からも実証されています。