受傷したアスリートや社会人にとって最大の関心事は、日常生活やスポーツ現場にいつ復帰できるのかという点です。内側側副靭帯損傷の全治期間の目安は、損傷グレードおよび単独損傷か合併損傷かによって劇的に変化します。また、かつては頻繁に行われていた手術療法ですが、現在では内側側副靭帯断裂の手術と保存療法の違いが明確に定義され、単独損傷であればⅢ度の完全断裂であっても保存療法を選択するのが世界のスタンダードとなっています。
以下のデータ比較表は、日本国内の整形外科専門クリニックの臨床基準およびスポーツドクターの治療ガイドラインを集約したものです。
保存療法が選択できる最大の理由は、内側側副靭帯が関節の外側に位置する「関節外靭帯」であり、滑液に浸されている関節内靭帯(前十字靭帯など)と比べて血行が保たれやすい環境にあるからです。適切な肢位で固定さえ行えば、自前の修復力で瘢痕組織が形成され、強固に癒合します。