嬬恋村の愛妻の丘がこれほどまでにメディアやSNSで取り上げられる最大の理由は、単なる展望スポットにとどまらない「体験型のストーリー性」にあります。この場所を一躍全国区に押し上げたのが、毎年9月頃に開催されてきた名物イベント「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ(通称:キャベチュー)」です。
イベントを仕掛けたのは、ユニークな地域活性化活動で知られる「日本愛妻家協会」。古代、東征の帰途で亡き妻・弟橘媛(オトタチバナヒメ)を偲んで「吾嬬者耶(ああ、わが妻よ)」と嘆いた日本武尊の神話が残る嬬恋村の地名ストーリーに着目し、2006年頃から本格的な観光まちづくりと連動した取り組みがスタートしました。
丘の上には、実際に立って叫ぶための特設ステージ「叫び台」が常設されています。見渡す限りの緑とどこまでも広がる青空に向かって、普段は照れくさくて言えないパートナーへの感謝や愛の言葉を叫ぶというストレートな体験が、多くの共感を呼んでいます。さらに、1月31日の「愛妻の日」や9月のキャベチュー開催日に限らず、年間を通じて多くの旅行者がこの丘を訪れ、記念撮影や思い思いの言葉を響かせています。