「車検のときだけ剥がせばいい」「ディーラーに行かなければバレない」という安易な認識は、道路交通法および道路運送車両法の不正改造取り締まりが強化されている現在、極めて危険なリスクを伴います。警察署と各地方運輸局が連携して実施する街頭検査では、可搬式の測定機器を用いた抜き打ち測定が日常的に行われています。
フロント3面に基準を満たさないスモークフィルムや着色フィルムを貼付した車両は、道路運送車両法に基づく「不正改造車」とみなされます。街頭検査等で違反が認定された場合、車両所有者に対して整備命令書が交付され、15日以内に適法な状態へと修復したうえで運輸支局等へ車両を提示しなければなりません。この整備命令に従わなかった場合、車両の使用停止命令(最大6ヶ月)が下されるほか、同法第108条に基づき6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という重い刑事罰が科される可能性があります。
さらに見過ごせないのが、民間指定整備工場や正規ディーラーでの対応です。コンプライアンス遵守が厳格に求められる自動車業界では、フロントガラスの透過率が基準値スレスレ(70%〜71%程度)の車両であっても、工場の測定器と陸運局の測定器の個体差によるリスクを避けるため、入庫そのものを一律で拒否する「門前払い」を実施する店舗が急増しています。定期点検やオイル交換、リコール対応すら受けられなくなるという実生活上の重大な不利益が生じる点に留意しなければなりません。