「朝、目が覚めたら片方のまぶたが完全に固まっていて、無理やり開けようとしたら激痛が走った」――眼科の外来を訪れる患者の多くが口にする切実な訴えです。睡眠中はまばたきによる涙の循環が行われないため、夜間に増殖した細菌と浸出した粘液分泌物がまぶたの縁で乾燥・濃縮され、天然の強力な接着剤と化してしまいます。
ここで多くの人が犯してしまう致命的な過ちが、「乾いたティッシュで力任せにこすり落とす」「指先で無理に引き剥がす」という行為です。強引な摩擦は、繊細な角膜や結膜の上皮細胞を剥離させ、二次的な角膜潰瘍や細菌感染を招く引き金となります。
臨床現場が指導する朝起きると目が開かない 対処法の正しいステップは以下の通りです。
- 無理に自力で開眼しない:強引に目を開けようとせず、まずは落ち着いて洗面所へ向かいます。
- 清潔な水分でふやかす:滅菌ガーゼやコットンに人肌程度のぬるま湯、あるいは市販の点眼型洗眼薬(防腐剤無添加のもの)をたっぷり含ませ、閉じたまぶたの上に1〜2分間優しく当てます。
- 目頭から目尻へ向かって撫で落とす:分泌物が十分に柔らかくなったら、力を入れずに外側へ向けて優しく拭い去ります。
- 清潔な流水で手を洗浄する:拭き取った分泌物には無数の病原体が含まれているため、触れた手は直ちに石鹸で入念に洗浄してください。
特にコンタクトレンズ装用者がこの状態に陥った場合、レンズの角膜への張り付きや角膜上皮欠損が起きている危険性があるため、レンズを無理に外そうとせず、潤いを与えて慎重に対処した上で、その日の装用は直ちに中止しなければなりません。