メンバー交代の記憶に加えて、解散説に拍車をかけたのがフロントマンのプライベートにおける大きな節目でした。2022年11月、日本武道館で開催されたワンマンライブのステージ上で、SHISHAMO 宮崎朝子 結婚がファンに向けてサプライズ発表されました。
長年バンドの全楽曲の作詞作曲を手がけ、リアルな乙女心や恋愛観を歌い続けてきた宮崎の結婚報告は、音楽シーンに大きな祝福をもって迎えられました。しかし同時に、昭和や平成の芸能界に根強く残る「女性ボーカルが結婚したらバンドは活動ペースを落とす、あるいは家庭に入って解散するのではないか」という古いステレオタイプが一部で頭をもたげました。
ネット上の掲示板やSNSでは「結婚を機にSHISHAMO 活動休止か?」「これで事実上の解散に向かうのでは」といった根拠のない憶測が飛び交い、これがSHISHAMO 解散説 なぜという検索需要を再び押し上げる結果となったのです。
ドラムの吉川美冴貴(よしかわ みさき)もまた、自らの生き方や価値観をエッセイやメディアで誠実に発信し、2023年には同性パートナーとのパートナーシップ宣誓を公表するなど、自立した個人の尊厳を大切にする姿勢を示しています。3人は互いのプライベートに過剰に干渉せず、適度な心理的バウンダリー(境界線)を維持しながら、バンドという共通の表現の場に誠実に向き合い続けています。結婚やライフイベントを活動停止の理由にするのではなく、表現の奥行きへと昇華させた点が、彼女たちのプロフェッショナリズムを物語っています。