検索エンジンで検索窓に文字を入力すると、関連ワードとして「バスセンターのカレー まずい 評判」という不穏な語句が浮上することがあります。名実ともに全国区となった大人気グルメに対して、なぜこのような否定的な声が一部から上がるのでしょうか。SNSやレビューサイトに寄せられた実食者の生の声を徹底検証すると、3つの明確なミスマッチが存在していることが判明しました。
第1の要因は、前述した「辛さに対する想定のズレ」です。昭和の黄色いカレーという外見から「昔懐かしい甘口カレー」を想起して注文したファミリー層や辛さに弱い層が、一口食べた瞬間に強い胡椒とスパイスの刺激に打ちのめされ、「辛すぎて食べられない」「思っていた味と違う」と低評価をつけてしまうケースが散見されます。
第2の要因は、現代のトレンドである「スパイスカレーや欧風ホテルカレーとの乖離」です。カルダモンやクミンが華やかに香るスパイスカレーや、香味野菜とフォンドボーを何日も煮込んだ高級欧風カレーを期待して訪れた層にとって、小麦粉とラードが前面に出たドロリと重たい立ち食いカレーは、「粉っぽい」「油っこくて洗練されていない」と感じられてしまう傾向があります。
第3の要因は、メディアによる「過剰な神格化」によるハードルの高揚です。「幻の絶品カレー」「人生で一度は食べるべき至高の味覚」といった過熱気味のフレーズを真に受けて新潟へ駆けつけた旅行者が、簡素な立ち食いそば屋のカウンターでプラスチックの皿に盛られた武骨なカレーを口にした際、「普通の立ち食いカレーじゃないか」と肩透かしを食らってしまう現象です。
このカレーの本質は、あくまで「寒風吹き抜けるバスターミナルで、立ち食いですばやく腹を満たす労働者と市民のソウルフード」です。高級料亭の味を求めるのではなく、無骨で力強い昭和のファストフードとして味わう姿勢こそが、その真価を理解するための絶対条件と言えます。