日常会話では混同されがちな「庇護本能」「庇護欲」「母性本能」「支配欲」ですが、心理学的なベクトルと動機は明確に分かれます。庇護欲との違いと理由を整理すると、本能が反射的・無意識な衝動であるのに対し、「欲」は相手を守ることで安心したい、あるいは感謝されたいという主観的欲求のニュアンスを強く含みます。
また、庇護本能と母性本能の違いについては、支援のゴール設定が異なります。母性本能が「相手を自立させ、育て上げるプロセス」を見守る愛であるのに対し、庇護本能は「自分がいなければ立ち行かない状態」に惹かれやすい性質を帯びています。この差を意識しないと、知らず知らずのうちに独占欲と庇護本能の関係性が歪み、相手をコントロールしようとする支配欲へと変質する危険を孕んでいます。