当時のプロデューサーである小室哲哉は、浜田雅功の声を「天性の切なさを持つ声」と評していた。音程が完璧に合っていることだけが名曲の条件ではない。むしろ、少し掠れた声で、必死に言葉を絞り出すような歌い方にこそ、聴き手の感情を揺さぶるダイナミズムが宿る。
「WOW WAR TONIGHT」のレコーディング時、多忙を極める浜田は深夜にスタジオ入りし、ほぼ一発撮りに近い形で声を吹き込んだという。その切迫感と、明日の見えない時代を生きる労働者たちへの等身大のエールが、奇跡的な化学反応を起こした。完璧にチューニングされたAIシンガーや、オートチューンで補正されたボーカルが溢れる現代だからこそ、彼の「生身の叫び」が人々の耳を捉えて離さない。