事態が国際的な注目を浴びる引き金となったのは、ジャーナリストであり長年UFO研究家として活動してきたハイメ・マウサン氏による行動だった。彼がメキシコ連邦議会の公聴会に持ち込んだ木箱から現れたのは、縮小した灰色の身体と細長い頭部、そして極端に長い3本の指を持つ異様な物体だった。
マウサン氏らは、この遺骸が世界遺産として名高いナスカの地上絵周辺の地下洞窟で発見された「地球外生命体の証拠」であると声高に主張した。このセンセーショナルな発表は瞬く間に世界を駆け巡り、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『エンカウンターズ: UFOとの遭遇』やディスカバリーチャンネルの特集番組でも取り上げられ、大衆の好奇心を一気に刺激した。
だが、ショービジネス的な熱狂の裏で、科学コミュニティからは発表当初から強い疑念の目が向けられていた。過去にも同様の「異星人遺体」を巡る主張を繰り返しては反証されてきた経緯があるだけに、慎重な検証を求める声が噴出するのは必然だった。