神社本庁が全神社の上に君臨する正当性の根拠は、皇室の祖神を祀る伊勢神宮(正式名称は「神宮」)を「本宗(ほんそう)」と仰ぐ点にある。本庁の最重要任務の一つは、伊勢神宮から授与されるお札「神宮大麻(じんぐうたいま)」を全国津々浦々の家庭へ頒布することだ。この大麻の頒布実績と各神社からの上納金が、巨大組織を支える盤石な財政基盤となっている。
とりわけ20年に一度行われる「伊勢神宮式年遷宮」において、神社庁の果たす役割は極めて大きい。莫大な造営費用と木材調達、全国規模の奉賛金集めを統括するのは本庁組織であり、地方神社への割当金集めには各地の神社庁が奔走する。伊勢の聖域を未来へ継承する巨大な資金還流システムこそが、組織の求心力を支える強固なバックボーンにほかならない。